「金色夜叉」の貫一お宮とねんど

とあるつてで下北沢で3ヶ月おきに催されている「文芸漫談」というものを観てきました。いとうせいこうさんと奥泉光さんが毎回ある小説をテーマにトークを繰り広げるというイベントです。的確なつっこみや解説でとっても面白くてかなり笑いました。
今回のテーマは「金色夜叉」。
尾崎紅葉の明治文学作品です。
初めて読みました。文語体で読みにくいとこもあるんだけど話がわかりやすくて面白かった。
ノリがホントに橋田壽賀子ドラマか韓流ドラマかのごとく突っ込みどころ満載です。
あれこれ言いたくなるかんじが大衆受けしたのだろうと思われます。

〜あらすじ(自分目線)〜
中流家庭の一人娘として育った宮はものすごい美人です。
そして自分が超絶モテることを十分自覚しています。
そんな宮の許嫁は、宮のお家の書生の貫一。
貫一は孤児です。
貫一のお父さんが宮のお父さんの恩人だという縁で宮の家で共に暮らしています。また、孤児なので一人娘のところに婿養子としてもらうにはちょうどいいんじゃないか、というのが宮の両親の考えです。
貫一は一男子として姓を捨て婿に入るのは不服だが宮がすごい美人だからこの娘を嫁にもらえるならばむしろラッキーという考えで、100% LOVE to 宮です。一方宮は、貫一はフツメンだけど性格が良く真面目で学業も優秀なので「まあ、この人でもいいけど〜」ぐらいに想っています。しかしまだまだ上玉の男性を狙える私、と思い日々暮らしていました。
そんなある日。宮は正月のかるた会の集いで銀行の跡取り息子に見初められます。
この跡取り息子は非常に面食いで、ものすごい美人じゃないと結婚したくないとか言っちゃって、これまでに20回もお見合いを蹴っている26歳の青年。トレードマークはダイヤの指輪。そして宮のことは一目で気に入り知り合いを通し結婚の申し込みをします。
シンデレラストーリーを夢想する宮は「貫一さんに悪いわね」とか言いながらかなりあっさりこの縁談を受けてしまいます。
貫一は宮にぞっこんなのでこのことを知ると失意のあまり気がおかしくなったように宮をなじります。「ダイヤに目がくらんだ姦婦め!」みたいなこと10回くらい言っています。しつこくて怖いです。ダイヤっていうかそもそもそれほど愛されてなかった、そこが問題の焦点なのに、金銭問題にすり替えたロジックで、十数頁に渡り宮を罵り続けます。逆上し、あまつさえ宮を蹴り跳ばし流血させてます、逆ギレ怖い。(※文芸漫談の場でいとうせいこうさんが「このシーンの貫一は野々村議員っぽい」と言っていらして、ほんとぴったりと思いました。)ここは有名な「今月今夜の〜」の熱海のシーンです。貫一・お宮の松の木のところに2人の銅像がありますね。子供のときあれを見て、女を蹴る男の人怖い...と思ったものです。
さて、その後貫一は心が荒み学校も辞め悪徳金融業者へとおちぶれていきます。
宮は2ヶ月後銀行の家へ嫁ぎます。しかし一旦玉の輿の望みも叶い落ち着くと有閑すぎる主婦は過去の貫一との思い出にふけり「わたしやっぱり貫一さんを恋している!銀行の息子のことなんてちっとも愛していない」とか、そもそもなことを言い出し悩みだしてしまいます。そのころ貫一は非情で冷酷な金融業者となり宮の後悔の手紙もつっぱねます。「悔悟したからお前の操の傷が癒えるのか!貴様は既に汚れた宮だ!俺は少しも汚れん宮であるから愛していたのだ。それを貴様は汚してしまったから恨んだのだ!汚れたのを汚れざる者に改めることは出来んのだ!」と、汚れが汚れがと連発しこだわりが激しいです。なんか現代のアイドルヲタみたいです。
と、まあ、そんな困った2人を軸にその他個性豊かな脇役が色々揉め合って修羅場を繰り広げるそんなストーリーなのです。このまま昼ドラになりそうです。

そんな貫一、お宮を粘土で再現。
ちょっと衣装が違うけど。

別れ話とはいえ蹴るのはビックリです。そんなことしてはいけないです。
貫一「はらわたの腐った女!姦婦!!」ものすんごいワードセンスです。
岡田あ〜みんぽい。好きです。

明治〜平成の垣根を超え、金色夜叉はまります。
ワードセンスが秀逸!



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